愛着のループから母親の共感者を探る
保育園通園のメリットは子供の成長、親の余裕のためである。子供は保育園通園前、そして通園後も通園時間以外は親と生活する。生活の場である家庭の養育、そもそもの子育て、子供の根本の養育環境を考えてみる。親の不安定な愛着が子供の不安定な愛着に引き継がれる。不安定なループをどのように打開するか。
不安定な愛着の親であっても、リフレクティブ・ファンクション(共感力)が高いと、子供との間に安定した愛着を結ぶことができるという。わが子がかわいいと思えば、できるのではないかと思うかもしれない。ストレスへの敏感さは、遺伝性もあり、敏感な子供を育てる親も敏感であれば、子供が泣いていることへの対処が難しいだろう。わからないことが多ければ、共感も難しいのではないか。
なぜ泣いているのか。そばで子育て経験者がいれば、共感への道筋を教えてくれるだろう。最たる協力者は祖父母。近居でなければ、子育てを身近に教授してそして母親の訴えを享受してくれる、母親の共感者をどのように見つけるか。母親が自己開示し、共感してもらえる機会。父親の子育て参加が叫ばれるが、子育て経験がなければ、子供の成長にもかかわる母親からの父親への信頼度は上がらないように思う。ペリー訪問には母親へのメリットも大きかったのかもしれない。
COVID-19による医療需要のため、リタイアした看護師を再雇用しようという動きがあったが、子供が巣立ち、まだ孫を持っていない50代の親を地域の子育てに組み込む動きがあってもいいのではないかと考える。また、子育て応援サポーターの店があるが、個人として登録し、地域の雰囲気として一人一人が子供と子育ての親に向けるまなざしを温かくしていけないか。
参考文献
・岡田尊司. 崩壊家庭における愛着障害. 日立財団webマガジン「みらい」vol.2